2010/07/07 (Wed) 七夕（１）

　

「あ～お腹へったぁ。」
「何だヤマト、朝飯食ってきてないのか？」
「実はそーなんだ。ちょっと寝坊しちゃって、牛乳しか飲んでないんだよね。」

ヤマトは今でこそパワーアップして、身長も大分伸びたのだが、神帝時代はずいぶんと背の低いことを気にしていて、朝起きてすぐと、夜の就寝前に毎日欠かさず牛乳を飲んでいた。
習慣というのはなかなか変えられないものだし、牛乳を飲むこと自体は健康にも良いから、今も変わらず続けているのだろう。
それにしても、寝坊しても牛乳はちゃんと飲んでくるとはエライというか、執念だな。とその点では悩んだことのない男ジャックは思った。

「とにかくさ～、早くお昼になってガツンとお腹にたまるもの食べたいよ。」

昼休みまであと一時間。
ヤマトは何とも情けない顔をでギュルルと鳴るお腹をさすった。

「あーそりゃ残念だったな。今日はスペシャルメニューの素麺だぜ。」
「えええ！？そんなぁ…午後から警備隊の演習なのに。スペシャルなのになんで素麺…。」
「おいおい、しっかりしろよ。しょーがねーなー、じゃあ特別にイイコト教えてやるよ。」

よよよ…と執務室のドアに縋りつかんばかりの後姿が哀れだったのか、それとも、午前中までにヤマトに作成してもらいたい書類がきちんと完成するか心配だったのか、男ジャックはこっそり囁いた。

「先着１０名様、うな天ぶっかけ素麺。しかもうなぎは２尾分も入ってますぜ旦那！」
「ほ、ホントかい！？ぃよ～し、何が何でも１２時までに仕事を終わらせてうなぎをゲットするゾ～！」
「お、おい、声がデカイ！」
「あ、ゴメンゴメン。んじゃ、そういうことで、教えてくれてサンキュー。」



今日の食堂の先着順は以下の通りだったという。

１位　　シヴァ・マリア様　（レシピ依頼者）
２位　　アンド・ロココ様　（マリアと一緒にいた為）
３位　　聖Ｏ男ジャック　（レシピ考案者）
４位　　助伝　　　　　　　（配達員：速達を届けに来た）
５位　　水墨法師　　　　（書道家：客間の掛け軸を作成に来た）
６位　　お救い観音　　　（弁護士：陳情にきた）
７位　　お助けさん　　　（助手：↑付き添い）
８位　　お邪魔王　　　　（弁護士：↑邪魔しに来た）
９位　　大照光　　　　　（ただの偶然）
１０位　聖Ｖヤマト　　　（達急動を使ったのにギリギリ…）



⇒（２）へつづく