遂に、私達は、聖魔和合を成し遂げた。
「どけっ!スーパーデビル、覚悟!!」
スーパーデビルと睨みあっていたラファエロココの背後からシヴァマリアが飛び出し、手にした希光扇から目を開けていられないほどの光と共に、凄まじいエネルギーの束がスーパーデビルの体を貫く。
どさっ・・・
光に貫かれたスーパーデビルの体は、あっけなく崩れ落ちた。
それと同時に、シヴァマリアもがっくりと膝を着いた。
「マリアっ!」
「・・・大丈夫だ、少々エネルギーを使いすぎたがな。それよりも、スーパーデビルの奴を完全にやったか調べないと・・・。」
ラファエロココはシヴァマリアを抱き起こし、背中に庇いつつ慎重にスーパーデビルに近づいた。
剣先をスーパーデビルに向け、様子を伺う。
腹部にエネルギーの束が貫いた穴がぽっかりとあいている。普通だったら生きている筈が無い状態だ。
「・・・ ・・・ ・・・ クカカカ、・・・私としたこと 不覚を った。・・・だが、このままでは・・・ ・・・ ・・・ ダー マター さ ばんざい・・・。」
話し出したと同時に、黒い霧がスーパーデビルの体を包み始めた。
ざしゅっ
ラファエロココがスーパーデビルに剣を突き刺した時には、既にその体は消え去っていた。
燃え落ちる魔館シップから無事脱出を果たした二人は、仲間達の待つ巨方舟に向かっていた。
眼下には再生しつつある次界の大地が見える。
シヴァマリアはまだ回復が足りないのか、ぐったりとラファエロココの背に体を預けながら語りかけた。
「・・・ダークマターと言ったな。」
「ああ、いつか対決しなければならない黒幕ということだね。」
「とにかく、これで聖魔の戦いは終わったと言えるな。」
「・・・長かった。・・・本当に。」
「まだ次があるぞ、・・・次こそ本当の戦いだ。」
「・・・そうだね。」
敵として生まれた二人。
争って生きてきた人生。
それぞれの生き方に反発しつつ、お互いに惹かれていた。
犠牲の上に成り立った関係。
後悔はしないと言えば嘘になる。
でも、だからこそ、今こうして二人で居ることが「奇跡」なのではないだろうか。
「・・・マリア。」
「うん、・・・分っている。」
「私達二人なら何も怖いことはない。」
「・・・そうだな。」
今夜、二人は源層界へ昇る。
⇒(2)へ続く