2009/04/22 (Wed) 春眠

　

うとうと・・・うとうと・・・

麗らかな春の午後、窓の外は雲ひとつない快晴、休日の今日は絶好の行楽日和、・・・であるが、マリアはリビングのソファーに寝そべっていた。

ロココは少し前に本を買いに、近所の本屋まで出かけている。だいたいいつも立ち読みをしてくるから、あと30分は帰らないだろう。
先ほど洗い物を終え、やる事はないし、家に自分しか居ないのをいいことに、マリアはソファを占領しているのであった。

（・・・う～ん、天気いいなぁ。出かけたほうがいいかな、でも・・・何だか気持ちいいから・・・このまま・・・。）

ついにマリアは睡魔に負けて、読みかけの文庫本が手からこぼれ落ちた。




「ただいまー。」

本屋からロココが帰ってきたが、マリアの返事が無い。
一瞬出かけたのかと思ったが、携帯電話にも連絡が無いので、たまたま声が聞こえなかったか、昼寝でもしているのだろうと推理した。
ああ見えて律儀なところがあって、マリアは何処かに出かけたりする際は必ず一声かけてくれるのだ。

「ただ・・・（あ、やっぱり寝てた）。」

静かに本を机の上に置き、部屋着に着替え、ロココはマリアの様子を伺った。

マリアは、顔を覗き込んだロココの気配に気付くことも無く、少し唇を開いたまま気持ちよさそうに寝ている。
前髪をかき分けて頬を撫ぜると、う～んと言いながら首を振り、お決まりの反応を返してくる。

「マリア・・・。」
「・・・うん？」
「こんなところで寝ていると風邪をひくよ。」
「・・うん。」
「ほら、起きて。」
「・・・うん？・・・ん？・・・あれ？」

ごしごしと目を擦りながらマリアが起き上がった。
ロココは背中に手を回し、立ち上がるのを手伝いながら声をかけた。

「寝るならソファーじゃダメだよ。」
「・・・うん、・・・ああ、寝てしまった。」

マリアはまだ少し寝ぼけているのか、素直にロココにもたれかかりながら寝室に移動する。

ちゃんと布団をかけたのを確認して、再度マリアの寝顔を眺めた後、本を読みにリビングに戻ろうとしたところ、寝たと思っていたマリアがぽんぽんと布団を叩いた。

「ロココ・・・。」

どうやら一緒に昼寝をしろということらしい。
本を読もうと思っていたんだけどと考えながらも、いつになく素直な仕草を前に、たまには昼寝も悪くないかとベッドにもぐりこんだのであった。

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春は眠いですね（笑）