ここは次界ハーモピース高校。
授業が終わり、今日もグラウンドでは生徒達が部活動に励んでいる。
併設されている野球場(この学校の野球部は強豪として有名)からも、バッティング練習をしているのか、「カキーン」というボールがバットに当たる音が聞こえてくる。
「顧問がわざわざ話とは、一体なんだ?」
「監督、春季大会の次の相手、我が高校の宿敵のライバルでしたよね。」
「・・・そうだが、何が言いたい?今大会は投手・守備・打線共に自信を持って臨んでいる。ウチが負けるなどありえんな。」
最近、投手のヤマトは急成長していて、持ち球も新たに一種類増えた上、ストレートの球威も増してきている。
また、元々チームワークの良さが持ち味だったこともあり、守備には絶対の自信があるし、打線もなかなかのものだ。
「そうですか。それはすごい自信ですね。・・・では、次の試合の勝敗で賭けをしませんか?」
「なんだと?」
「自信がないなら辞退してもらってもいいですよ。」
癪に障る言い方だが、まず勝てる賭けなのだから乗らない手はない。
「・・・フン、いいだろう。勝ったらどうしてくれるんだ?」
「私があなたをデートに誘ってあげます。」
「はあ!?」
「負けたら、あなたが私をデートに誘ってください。」
「・・・バカかおまえは!」
それでは勝っても負けても同じじゃないか、と怒りに震える拳を握り締めると、慌てて再提案してきた。
「え~と、じゃあこうしましょう!明日(土曜日)の練習開始の時に顔を出して指示を出したら、相手高校の練習を偵察に行くって事で。」
その後、軽く昼食を取って午後の練習に戻って来たら丁度いい、等とにこやかに言葉を続けたところで、部室のドアがノックされた。
コンコン
「失礼しますの~。あの~ロココ先生、理事長先生が呼んでましたの~。何だかご相談事があるそうですの~。」
「ああ、そうですか。連絡ありがとうございます。じゃあ、マリア監督、そういうスケジュールで宜しくお願いしますね。」
マリアが何か言う前にロココはさっさと部室を後にした。
マネージャーのエンジェルは部室においてあった救急箱を持ってグラウンドに向かおうとしている。
「あ、そう言えば、ヤマトさんがそろそろ監督にノックをお願いしたいって言ってましたの~。宜しくお願いしますの!」
「・・・ああ、分った。すぐ行こう。」
あっけに取られていたマリアは、してやられたと思いながら部室を出た。
確かに偵察しておくに越したことはないが、賭けの話は前振りだったと考えると、いい様に振り回されたことが悔しく、明日は絶対に仕返ししてやろうと闘志に燃えるのであった。
[おまけ]
「マリア、食事はどこにしようか?イタリアン?それとも中華?」
「・・・オイ、偵察が先だろ?昼食はオマケだオ・マ・ケ!!」
「え~」
-[あとがき]----------------------------------------
この前の野球チームの妄想から飛び火しました(笑)
もうビックリマンじゃないや・・・
また何か思いついたらこの設定でやるかもしれません
ちなみに、理事長先生とはスーパーゼウスです。
教頭先生は・・・カーンとデビル。
二人は多い気がするけどいっか~
パワーヒッターは一本釣、
ライトの照光子はレーザービームでランナーを刺します。
キャッチャーの男ジャックは強肩です。
送球の時に「聖コインつぶて~」と言うとか言わないとか(笑)
他はまたひらめいたら!
あ、ピーくんにはファンクラブがあります
以上、あとがきでした!